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2009年2月26日

「ニュー プラネット」第4号 疲れのサイン


第4号は、前号に引き続き、大切な自律神経系の働きを中心に、それと関係する免疫系、エネルギー代謝系についても併せてお話したいと思います。今号のキーワードは「疲れのサイン」です。

まず、第3号のおさらいから

自律神経系は、私たちの意志に関係なく身体が自律調整する神経系で、交感神経系と副交感神経系があります。交感神経系が優位となると、今から狩に行く、戦うぞ、働くぞ、となるモードで、筋肉は緊張し血管や神経は収縮し、免疫を司どる白血球の中の顆粒球の割合は増加します。すぐにでも動きだし、逃げられるように身体が準備するのです。副交感神経系が優位となると、安心してゆっくり休めというモードになり、筋肉は緩み、白血球の中のリンパ球の割合が増加します。

交感神経系と副交感神経系のバランスがちょうどいい場合は、疲れや病気をよせつけにくく、免疫力が高く、ちょっとのことでは動じない、強く本物の体力がある、という幸せ状態です。

では、病気の1歩手前の「疲れた」「身体がだるい」「なんとなく具合がよくない氣がする」というのは、どういうことでしょうか?これらの状態は、病気の入り口だと言えます。
そして、この「なんとなく疲れた」状態は自律神経系の偏りに応じて様々な症状となって身体や心に現れます。

交感神経系が過度に優位であるタイプは、一見元気はつらつ、食事や入浴、睡眠の時間(これらは副交感神経系が優位となる時間です)が概して短く、活動的で喜怒哀楽がはっきりしていることが多い人。このタイプの「疲れ」は、以下のような特徴があります。

  • いつも身体が疲れている、体温が低い(35度台)
  • イライラする、ピリピリしている
  • 漠然とした不安感を感じることがある
  • 原因を周囲のせいにして怒りやすい
  • 考え事が頭をめぐって夜眠れない
  • 血圧や血糖値が高い
  • 肩、背中、腰などに痛みが出る  など

逆に、副交感神経系が過度に優位であるタイプでは、色白、ぽっちゃり型が多く比較的のんびりとした雰囲気に見えます。食事、入浴、睡眠時間を長くとる傾向にあり、時に気持ちが沈み、ふさぎがちになります。痛みやかゆみをはじめ、他人の視線や意見、言葉なども含めた様々な感覚が過敏になります。このタイプの人の「疲れ」は「すぐ疲れる」という感じです。元気な人が普通にできることでも、身体全体の能力が弱ってしまい、すぐ疲れてしまうのです。
このタイプの「疲れ」は、以下のような特徴があります。

  • 低体温(35度台)
  • 少し動くだけでも疲れる
  • やる氣がおこらない
  • 他人の眼が氣になる、些細なことが氣になる
  • 落ち込みやすい
  • 朝がおっくうになる
  • ストレスがかかると下痢をしやすい
  • 筋力が弱ってしまい、肩、背中、腰などが痛む  など

交感神経系を過度に優位にしてしまう要因には、1)働きすぎ 2)心の悩みや心配 3)薬(合成薬)の常用などが挙げられます。また、副交感神経系を過度に優位にする要因には、1)楽すぎる、便利すぎる生活 2)運動不足 3)過保護などが挙げられます。

以上の仕組みをふまえ、「身体は間違えているわけではない」ということを強くお伝えしたいと思います。

診療では、多くの方の悩みや不安、心配を伺います。「足が痛い」「首がつらい」「手がしびれる」「疲れやすい」など本当に様々です。でも考えてみてください。このような症状は、ある日突然降りかかって、誰かに無理やり押しつけられたのではないのです。
今までの自分自身のあり方が、今のそのお身体の症状を出してくれているわけです。そのサインを嫌なもの、よくないもの、自分を苦しめるもの、と嫌うとそれは徐々に大きくなりずっと追いかけてきます。

サインを心から引き受けましょう。身体は私たちの大切なパートナーです。今まで疲れや低体温のサインを無視したり、その場しのぎで何とかやってきてしまいました。ですから、まずは「不具合」や「疲れ」のサインを出してくれた身体をいたわり、感謝することからはじめたいと思います。

「疲れたカラダ」は体温が低く、免疫力が低下し、白血球の顆粒球/リンパ球バランスが崩れ、大きな病気を引き寄せる手前であるからです。

自律神経系、免疫系、代謝内分泌系、これらがバランスよく働くと、防衛と活動、ともに力強くなり、本当の「生きる体力」を養うことができます。すると、少しの負荷がかかっても中庸に戻すことが容易になり、病気を引き寄せることは格段と減ります。生きている以上、「疲れない身体」ということはありえないのですから、「疲れを溜め込まない身体」を心がけたいと思うのです。

最後に、私が最も大切にしている考えを分かち合いたいと思います。それは、疲れを溜め込まない、病気を引き寄せない、という心のあり方は、いつでもどのような状態でも自分で選べる、ということです。

心のあり方が自律神経系のバランスに影響を与え、脳内ホルモンの放出を決め、そしてそれによって最終的に身体に変化がおこるのです。
ですから、身体が心配、具合が悪い→気持ちが晴れない→身体が不調→続く・・・というサイクルからいったん離れ、気持ちがよい、悪いは自分で選ぼう、と決意する→今は身体のココは心配だ→それでも心から感謝できることに眼をむけ、それを見続けることを選ぶ→副交感神経がしっかり働くようになってくる→身体がゆるむ→身体の症状に変化が出てくる→気分がよいことが増えてくる→続く・・・という新しいサイクルをぜひ提案したいと思います。

当院の診療は、院内に入り受付いただいたときからお帰りになるまでのすべてを、不具合や心配をなだめすかすだけではなく、心から引き受け、感謝する視点を提供するよう心がけ目標としています。
まだまだ学びの途中ですが、「本当の体力」をつけて真に健康で幸せであることを目指したいと思いますので、皆様是非このアイデアを試してみてください。なにせ、タダ(無料)なのですから!

おすすめ書籍のご案内

「図解雑学 病気にならない免疫の仕組み」 安保徹 著 ナツメ社 1500円
「疲れをためない生き方」 安保徹 著 幸福の科学出版 1300円

(ともに免疫と自律神経系の働きをわかりやすく解説しています。心と身体の双方向の働きも書かれていますのでご興味のある方はぜひお読み下さい。)