ニュースレター

2011年10月26日

「ニュー プラネット」第28号 ストレスと身体の関係


朝晩は冷え込み、体調管理がむずかしい季節になってきました。
お風邪で体調を崩す方や、首筋や肩こり、背中の張りや腰痛など気圧や気温差に敏感に反応してみえる方も増える季節です。おなか周りの他、足首、手首、首筋など「首」のつくところは冷やさず、温めてあげたい時期にもう入っています。

今日は、“ストレス”についてです。
診療の中で感じることがあります。
当院にいらっしゃる方の半分以上の方は、お身体のどこかが何か「病氣」にかかった、という意識でみえられます。
たとえば、腰を痛めた、他院で椎間板ヘルニアと診断されたことがある、五十肩でしょうか、などと診断名をほしがります。
もちろん、種々の治療方法を検討する上で診断名は必要なこともありますが、たとえば画像上で膝の変形があっても、日常で生活を楽しんでおられる方もたくさんいらっしゃいますし、脊椎に椎間板ヘルニアの所見があったとしてもそれがイコール痛みやしびれの直接的な原因ではないのです。
画像所見は緊急的な処置や手術適応の決定に欠かせませんし、さまざまな病氣を鑑別するには意味がありますが、診断名・画像所見が、そのままその人とイコールではもちろんないわけです。

お身体に不調を感じる初期には、多くの場合なんらかのストレスがかかわっています。
それが自分にとって何ということはないことや、長期にわたるものでいまさらストレスだとは感じられない、というものもあるでしょう。
もっと簡潔に言うなら、ストレスをストレスだと感じているのは、頭脳ではなく、お身体そのもの、なのです。
これくらいは、ずっとやってきています、ということこそがお身体の不調の大きな要因であることもとても多いのです。
また、自分ではうすうすとこれが嫌だな~、と感じていても何らかの対処をしていない(できない)場合も、身体は素直にストレスだと感じています。人間関係、家族関係、健康状態、経済状況など私たちの生活にかかわるすべてがその要因になりえます。

診察の中で、何か氣になることがありませんか?些細なこと、自分では当たり前なこと、我慢していること、氣にしていること、などありませんか?などを伺うことがありますが、怪訝な顔をされる方もいらっしゃいます。
「えっ?こんなことが痛みの原因なのでしょうか?」
「ずっとこうしてきたのですからストレスはありませんけれど」
「精神的なものだということですか?」
などと感じられるようです。

そのようなとき、自律神経は身体の智恵のようなもので、頭で大丈夫、大丈夫ではない、とか考えていることとはほとんど関係ありません、むしろ、身体自体が頭より先に周囲の状況を読み取っている、と思っていただいた方が正しいです、とお話します。

私たちは息を止め続けることや、心拍数を自由にコントロールすること、体温を自在に操ることなどできませんが、身体は生存のために体内および周囲の情報を収集して、精密に反応しています。その結果、時に私たちの肉体は(生存のため)過度の緊張を強いられ、緊張性の症状を呈することが多いのです。
自分ではストレスだと感じられていないのは、逆に言うと、そこまで感度が下がってきてしまっている、とも言えます。
私たちの現在の日常生活は、緊張を強いられるような有形・無形の情報にあふれていると言えます。
ですから、できるだけ心して生体の受け取る、ストレスになりうる有形無形の情報を、ストレスだと感じられる、感度のよい身体、をめざす必要があります。そして、さらにそのストレスを自分で感じたら、何らかの対策を練る必要があります。場合によっては、生き方などを見直すこともあるわけです。

体質などがありますから個々のケースでその処方箋は異なるでしょうが、
丁先生の「がんにならない生き方」新潮社
帯津先生の「不良養生訓」
サーノ博士「ヒーリングバックペイン」
など参考にされて、自分自身の感じているストレスを自覚することも大切です。
自覚すると、少なくとも、不要な不安感や心配などの引き起こす二次的な痛みには効果があると思います。

ですから、ご自身の生活の中の、何かちょっと心にひっかかっていることがあれば、診療でも待合室ででもスタッフにこぼしてみてください。
そこから何か糸口がつかめるかもしれません。ご遠慮なくいつでもどうぞ。