ニュースレター

2011年12月8日

「ニュー プラネット」第29号 心と身体のバランス


朝晩の寒さが増してきています。
そしてあっという間に(本当はしっかり365日あったはずですが・(笑))師走となりました。
寒さとともに風邪や体調不良などの方が増えています。どうぞお氣をつけてお過ごしください。

今号は今年最後のニュースレターとなります。日々の診療でおこなっている、直観的診療と科学的根拠にもとづく診療とのバランスのよい組み合わせなどについて、徒然と書いてみます。

帯津良一先生の著書に「心と体を強くする養生365日」三笠書房1300円
という本があります。(クリニック図書にもあります)

どのページから読んでも1日1コラム形式で書かれていて大変読みやすく、また、日常で、優等生であれないときも、まっいいか、と思える内容も盛りだくさんで、お身体の不調を感じているときにはホッとできるおすすめの1冊です。

この中に、「医療は人が生きていく場だから」というものがあります。
「医学には、エビデンス(科学的根拠)が必要ですが、医療は医学ではありません。医療は人が生きていく場ですから、エビデンスだけで成り立つわけではありません。エビデンスよりももっと大事な直観があるのです。」と書かれています。

これは私も診療の中で常に感じ、また実践していることで大変共感します。
医学の場では確かに科学的根拠を積み重ねていく学問ですが、診療は私たちの生活に密着しているもので、日々の生きかた、生き様と切り離せるものではないからです。

ですから、たとえば、ある人には手術が優先され、またある人には緊張をゆるめる対話や手技が、そしてある人には筋力トレーニングがまず優先されます。
その選択には、私自身の医学的な専門家としての経験的直観と、その人自身から感じられる直観的洞察を組み合わせて診療しています。

このように診療していると、言葉以上の情報が感じられます。
病氣や不具合だけをどうにか「治す」にとどまらず、人間としての生活全体からの情報が生かされていきます。
そして、そこに向き合うにも最適なタイミングというものがあり、それをも呼吸をあわせてダンスをするようにコミュニケーションをとっていきます。

また、治療法は臨機応変に使いこなすということも大切だと考えています。
来院される方の中には、西洋医学の薬は飲みたくない、という方もいらっしゃいます。
それはもちろんいいのですが、治療には戦略が必要な場合があります。

速効性を期待する時は、西洋医学の薬を使い、同時進行でいろいろな戦略を持っていればいいのです。
自然治癒力というのは、何も薬を否定することから起動するものではありませんから、その時々で戦略を立てながら、臨機応変に、多くの治療法を選択していく、という柔軟さと図太さとを併せ持つ必要があります。

また、私たちは人間ですから当然ではありますが、具合が悪くなるとなぜか奇跡を求めてしまうことがあります。
これを飲めば、これを打てば、これをすれば、と思い込んでしまうことがあります。

けれども、不具合自体も、私たち本来のまったき状態に戻ろうとする身体のプロセスであることが多くあります。
調子が悪くなるとなかなかそうも思えないものですが、それでも痛い肩や腰を叱りとばしても、子育てと一緒でよくはなりません。
痛くなる、具合が悪くなるには、本来は理由があるのです。
必ずしも検査などでその全容が解明されるわけではなく、自分の生活や考え方、感情的なことがらなどにそのヒントが多くあります。

心身の表現の多様性を知り、その上で、時にはまっいいか~という氣楽さとともに、日々無言で活躍している身体に感謝をしていきたいものです。

当院は12月30日金曜日~1月4日水曜日まで年末年始で休診とさせていただきます。どうぞ皆様お忙しいことと思いますが12月をお元氣にお過ごしください。
そしてよいお年をお迎えください。
1年間どうもありがとうございました、スタッフ一同心より感謝しております。