ニュースレター

2013年5月1日

「ニュー プラネット」第41号 今日から・たった今から


春らしい日が少なく、強い風や気温差が目立って感じられた4月を経て新緑の5月に入りました。環境の要因もあり多彩な愁訴のあった3月・4月を抜け、新緑をたのしむ季節でありますように、と願います。
先月より導入した自律神経バランス測定が好評です、是非セルフチェックの1つにお試しください。

さて今号では、はじめに三重大学大学院医学系研究科家庭医療学・竹村洋典教授の調査をご紹介します。「総合診療科」の医師についてどのようなことが求められているか国内で調査したまとめです。

「医療包括性」

2731人を対象に調べてみると、提供できる医療のレパートリーが狭い医師にケアを受けていると、その患者の受診頻度・入院頻度・救急車利用回数などが増えてしまう。

「連携度」

741人を対象に調べてみると、いろいろな専門診療科医師と連携がとれている医師から医療を受けていると、その患者の医療への満足度は高く、医療の患者中心性も患者から高く思え、さらに血圧などのコントロールもよりうまくいくらしい。

「近接性」

かかりつけの医師が近くにいたほうが住民は満足しそうに思えるが、4199人を調査した結果では重要なのは医療施設と患者の家の距離ではなく、到達するのにかかる時間のようである。近くにあっても自宅から時間がかかるところに医療施設があると住民は有意に医療に不満らしい。特に65歳以下の住民がそう思っている。

「継続性」

長くみてもらっている医師の方が過剰な医療の必要が少ないと思われる。
しかし調査してみると、長い間ケアしてもらっている医師であろうが、短い期間の医師であろうが、年齢で補正するとその患者らの受診頻度、入院頻度、救急車利用回数に影響がないらしい。

「患者中心性」

そもそも、患者は病気だから医師を訪れるのではない。
患者自身が病気だと思い、医療機関にかかるほどの状態だ、と思ったから来院する。街の診療所、病院、大学病院で風邪患者について調べてみた。診療所・病院では、患者の9割以上は薬がほしくて来院していた。一方、風邪で大学病院に来院する患者は6割以上が検査を目的としていた。大学病院にくる患者は自分が風邪だなんて思っていない(検査が必要ななんらかの病気だと思っている)。

以上の調査結果から患者中心性ということについて竹村教授はこのようにまとめています。
「だからジェネラリストは、患者の病気の診断や治療のみならず、患者が何を考えて医師のもとに来たのか、思いをはせる必要もある。患者背景を考慮したケアも重要である。」

この調査は現在の日本の医療の一部を説明しているように思います。
診療でいつも思うのですが、お身体の症状はいつも何かの表現の代わりのように感じます。それは家庭の家族関係や、こどもに至っては部活動の人間関係などの負荷の表現であることも多いのです。
健保が破たん寸前とも報道されますが、何かを治してもらおう、というスタンスだけでは症状から本当の意味で逃れることは難しいのではないでしょうか。
すべてを医療任せではいけないし、かといって医療を避けていてもいけない、どんなときに医療を利用するかを1人1人が学びなおす、再学習や啓蒙が必要でしょう。

「医者に殺されない47の心得」などの著者、慶応義塾大学医学部 近藤誠先生は、
「とりあえず病院に行けば医者がなんとかしてくれる。病気の専門家なんだから、病気の治し方も防ぎ方もよく知っているはず・・・・。」とあまり深く考えずにたいていの人がそう信じているから、日本人は世界一の医者好き民族です、年間ひとり平均14回前後、先進国平均の約2倍以上も病院に行っています、と書かれています。
現在の日本では、医療を受ける受け手も、提供する医療従事者同様に、賢くある姿勢が必要です。それはあふれる情報を取り込むのではなく、むしろ、たくさんの情報を切り捨てることやこれまでの思い込みを刷新することかもしれません。
身体は本来治ろうとする力が備わっていると知ること、人間の肉体は永遠ではなく必ず寿命が存在すること、そしてその上で、笑って感謝して生きること、今の自分ができることを取り入れること、ご自身でやってみて、いいなと感じるセンサーを最優先することなどから始めればいいのです。

過去を悩み、未来を心配しているよりも「今日から・たった今から」自分でできることがあるというのは本当に自由なことではないでしょうか。
自己否定を背負って生きている人が本当に多すぎます。
一日の最後には、「今日も1日わたしはよく生きた」と自分で自分の肩に手をあててねぎらってあげましょう。私も自分に厳しい癖がなかなか抜けませんので、日々これを心がけています。
温かい日差しのもと、ウオーキング、散歩や体操などで氣を動かすことを心がけましょう。
今号も最後までお読みいただき、ありがとうございました。