「シミ取りレーザーで失敗することってあるの?」
と不安な方に向け、eye’m編集部が経験者100人に独自調査&実際にレーザー治療を体験!
など、レーザー治療で後悔しないためのリアルな情報をお伝えしていきます。
なお、この記事は皮膚科医の佐藤玲史先生にご監修いただきました。
◆この記事の監修者
佐藤 玲史 先生
慶応義塾大学商学部/東京医科歯科大学医学部医学科 卒業。 首都圏のクリニック院長などを経て、Original Beauty Clinic GINZAを開業。 皆様から信頼される「美容のかかりつけ医」になるべく日々診療に励んでいる。詳しい紹介ページはこちら
▶クリニック公式HP ▶公式Instagram
所有資格
日本美容外科学会(JSAS)認定専門医/日本美容皮膚科学会員/アラガン・ジャパン BOTOX VISTA®️認定医など

eye’m編集部 ライター
松本 凛
eye’m編集部のライター。学生時代に日焼けをする機会が多かったため、潜伏ジミに怯えている。
※シミ取りレーザーは基本的に自由診療・保険適用外です。
※本記事内の体験談は個人の感想であり、万人に同様の効果があるわけではありません。
※この記事は2023年5月の情報をもとに作成しています。
1. シミ取りレーザーで失敗することはある?経験者100人に徹底調査
シミ取りレーザーについてネットで調べてみると、「失敗した」という口コミを見かけませんか?
真相を確かめるべく、経験者100人にシミ取りレーザーについてアンケートを実施しました。
◆シミ取りレーザーで「失敗した」と感じますか?

アンケート調査について
【調査対象】シミ取りレーザー治療の経験がある女性
【調査方法】WEBアンケート
【調査期間】2022年8月3日~8日、16日~17日
【調査人数】100名
今回の調査では、経験者の約20%の方が「シミ取りレーザーを受けて失敗した」と回答。
確率こそ高くはないものの、失敗したと感じる方はいるようです。
▼失敗のよくある口コミ

シミを取ったあと、また新たなシミが出来てしまった。(55歳・公務員)

シミが完全には消えなかった。(36歳・銀行員)
しかし、調査を進めていくと、失敗と感じる症状には“ダウンタイムによる症状”も含まれていることが分かってきました。
![]() | 佐藤先生の解説! シミ取りレーザー照射後、 すぐにシミが取れるわけではありません |
施術後、肌がダメージを受けている状態のダウンタイムによる症状を“失敗と勘違い”してしまうことがあります。 ✔再治療が必要な“失敗“ …リスクとして知っておくべき症状 ✔“ダウンタイム”による症状 …失敗と勘違いしやすいがケアをすれば問題なし シミ取りレーザー照射後は、上記2パターンの症状が起きる可能性があるため、シミが取れないからといって必ずしも「失敗した」とは限りませんよ。 |
次章では、実際にシミ取りレーザーで失敗したらどうなるのかについて解説していきます。
2. 皮膚科医が解説!シミ取りレーザーで起こる3つの失敗例&予防策
まずは再治療が必要になるシミ取りレーザーの失敗例と予防策を、監修医師で皮膚科医の佐藤先生に解説していただきます。

佐藤先生の解説!
シミ取りレーザーなどの美容医療を受ける前は、治療のリスクについて理解しておくことが大切です。
失敗しないためにご自身でできる予防策も解説していくのでチェックしてくださいね。
◆シミ取りレーザーによる3つの失敗例
①シミが濃くなる(隠れ肝斑の発症)
②シミが再発する
③白斑化
順番に見ていきましょう。
①シミが濃くなる(隠れ肝斑の発症)

原因 | 肝斑に強い出力でレーザー照射をしたなど (=治療方法の選択ミス) |
シミ取りレーザー照射後に「シミが濃くなった」と感じる原因の1つは、“肝斑”に強い出力でレーザーを当てたことによるもの。
肝斑はレーザーなどの強い刺激を与えると、肌の奥に潜んでいた“隠れ肝斑”が浮き出てくる可能性があり、シミが悪化する原因に繋がります。
▶シミの種類について詳しくは「Q&A」をご覧ください

佐藤先生の解説!
失敗を防ぐには…?
他の種類のシミと併発していることも多い肝斑は、治療方針を決める上でも医師による正確な診断が重要です。
目視できない肝斑が潜んでいる場合もあるため、肌診断機器VISIAなどの画像解析による肌診断を実施しているクリニックを選ぶと、より詳細な肌状態を確認できますよ。
②シミが再発する

原因 | ・アフターケアを怠った ・照射出力が適切ではなかったなど |
シミを生成する元であるメラノサイトを破壊することはできないため、シミが再発する可能性はどうしても残ってしまいます。
シミ取りレーザーはセルフケアに比べ、効果的なシミ治療が期待できますが、治療後の日焼け対策は引き続き必要です。
シミが再発した方の口コミを見る

2年後に再発しました。ただ、シミが消えた2年間は自信を持って顔を上げて過ごせたので、治療をした価値はあったと思います。(Qスイッチレーザー・3ショット/6,000円/大塚エルテクリニック)

内服や塗り薬よりも効果が圧倒的に早いため、再発したら美容院に行く感覚で通っています。(ピコレーザー/15,000円/芦屋美容クリニック)

佐藤先生の解説!
失敗を防ぐには…?
シミの再発を防ぐには、アフターケアをしっかりすることが大切です。
日焼け対策を行う、患部をこすらないなど、外部刺激から肌を守ることを徹底しましょう。
③白斑化

原因 | 短期間に何度もレーザー照射をしたなど |
「白斑化」とは皮膚の一部が白く抜けたような状態になることで、発症した場合の有効な治療法はありません。
ただし、1回の照射で白斑化が起こるのは稀です。
![]() | 佐藤先生の解説! シミ取りレーザーで失敗を防ぐには “信頼できるクリニック選び”が重要! |
シミ取りレーザーで起こる失敗は、診察時の見極めが不十分だったことが原因になる場合もあります。 失敗してから後悔しないよう、 ✔丁寧なカウンセリングがあるか ✔リスクの説明があり、納得して治療を受けられるか などを確認し、信頼できるクリニックを選ぶことが大切ですよ。 |
クリニックによって、再診料や処方箋料が異なるので、契約前に確認してくださいね。
3. “失敗”と勘違いしやすいダウンタイム中の症状とは?
シミ取りレーザー後は1~2週間ほどのダウンタイムがあり、失敗と勘違いしやすい症状が起こる場合もあります。
そこでダウンタイム中はどんな肌状態になるのかを事前に知って、不安を取り除いていきましょう!
◆失敗と勘違いしやすいダウンタイム中の症状
症例写真 | 症状/起こりやすい時期 |
---|---|
![]() | 赤みが残る、水ぶくれができる ➡施術直後~2,3日後 |
![]() | かさぶたにならない ➡施術3日後~7日後 |
![]() | シミが濃くなる(炎症後色素沈着) ➡施術7日後~半年後まで |
*症例提供:骨スト@みちさん
また今回は、編集部員がシミ取りレーザーを体験!
失敗と勘違いしやすいダウンタイムの症状とともに、編集部員はどんな症状が起きたのかをご紹介していきます。


体験した編集部員・A(30代)
20歳ごろから気になっていた頬のシミをピコレーザーで除去。
ダウンタイム中に感じたことをレポしていきます!
▶施術前の頬のシミ
それでは、シミ取りレーザー後に起こる症状を画像付きで見ていきましょう。
①赤みが残る、水ぶくれができる

症状 | ・強い赤みが残る ・水ぶくれができるなど ※患部にテープを貼った状態の場合も多いです |
レーザー照射直後の肌は、強い赤みが出るなど軽いやけど状態になっています。
1週間以上赤みが残る場合もありますが、時間の経過とともに落ちついてくるので、患部は触らず、日焼け対策も万全にしておきましょう。

編集部員の体験レポ(当日~3日後)
施術直後はヒリヒリとした痛みを感じました。
シールを貼った状態でも患部が赤黒くなっているのが分かります。
▶施術翌日
②かさぶたにならない

症状 | ・患部が黒い点状になっている ・薄い皮が貼ってあるような状態など |
レーザー照射から1週間ほどでかさぶたが剥がれ、シミも取れるのが理想的ですが、そもそもかさぶたができないこともあります。
擦り傷ができた時のようなかさぶたにはならないことも多いため、焦らず経過を待ってみてくださいね。

編集部員の体験レポ(3日後~7日後)
施術から1週間経っても、まだ茶色い部分が残っています。
この後シールを剥がしてみると、薄いかさぶたのような膜ができていました。
▶施術1週間後
③シミが濃くなる(炎症後色素沈着)

症状 | ・消えかかったシミが濃くなる ・患部が黒ずんだように見えるなど |
シミ取りレーザーにより消えたはずのシミが、再び浮き出てくるように見えることがあります。
これは戻りジミ(=炎症後色素沈着)とも言われ、通常は半年ほどで自然に目立たなくなっていくシミです。

今回のアンケート調査でも100人中26人の方が戻りジミを経験しています。
珍しい症状ではないですが、不安な方はクリニックで薬を処方してもらうと早めの治癒が期待できますよ。

編集部員の体験レポ(2週間後)
薄いかさぶたが剥がれ、真っ白な肌が出現!引き続きアフターケアを頑張ります◎
\シミ取りレーザーの経過まとめ/

体験した編集部員の場合はダウンタイム中のトラブルや戻りジミもなく、順調な経過を辿りました!
体験した施術の詳細を見る
【施術名】ピコレーザーシミ取り【施術内容】色の濃いシミをピンポイントケア!メラニン色素を破壊するレーザー照射です。【費用総額】47,300円(5mm~1cm 10,000円、1cm~2cm 15,000円×2、表面麻酔 3,000円)【施術院】ジョウクリニック 銀座院(03-6263-8457)【リスク】疼痛、発火・腫脹、痂皮形成、火傷・水泡・痂皮、炎症後色素沈着、色素脱失、毛包炎、乾燥・かゆみ
![]() | 佐藤先生の解説! 自宅でのアフターケアが 仕上がりを左右します |
シミを綺麗に取り除くには、下記のようなアフターケアが重要です。 ・摩擦に注意 ⇒洗顔時や薬を塗る際も、なるべくこすらないよう意識しましょう ・日焼け対策を徹底する ⇒シミ取りレーザー後の肌は普段以上に日焼けをしやすい状態のため、日焼け止めは必須です 特に治療後の半年間ほどは力を入れてケアしてくださいね。 |
無料でアフターフォローをしてくれるクリニックもあるので、迷ったときは医師に相談してくださいね。
4. 失敗を防ぐためのシミ取りレーザーに関するQ&A
最後に、シミ取りレーザーに関する疑問点を監修医師の佐藤先生にお答えいただきました。
◆シミ取りレーザーに関する疑問解消Q&A
Q1. シミにはどんな種類があるの?
Q2. シミ取り治療にはどんな方法がある?
気になる質問からチェックしてくださいね。
Q1. シミにはどんな種類があるの?


A. 見分け方が難しいですが、数種類のシミがあります
よくあるシミを4種類ご紹介します。
症例写真 | 特徴/原因 |
---|---|
![]() | 老人性色素斑 ・最も一般的なシミ ・黒や茶色で様々な大きさの円形 ▼原因 加齢や紫外線ダメージなど |
![]() | 肝斑 ・頬骨や目の周りに左右対称にできる ・30代~40代で発症することが多い ▼原因 ホルモンバランスの乱れ |
![]() | 炎症後色素沈着 薄茶色や黒色で様々な大きさ ▼原因 ニキビ跡や傷跡など |
![]() | そばかす(雀卵斑) ・鼻や頬を中心に斑点状にできる ・幼少期から出る場合も多い ▼原因 遺伝性、紫外線ダメージなど |
画像出典:SBC湘南美容クリニック
▷参考:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」、ハイチオール「あなたのシミの種類をチェック」
この他にもADMや太田母斑といったシミがありますが、ご自身で判別することは難しいです。
治療をする際は、シミの症状を医師に詳しく診察してもらいましょう。
Q2. シミ取り治療にはどんな方法がある?


A. レーザー治療や光治療、内服薬での治療などがあります
シミの種類や状態によって効果的な治療法が変わってくるため、ご自身の症状に合った治療を受けることが大切です。
◆代表的なシミ取り治療
治療名 | 特徴 |
スポット (レーザー治療) | ・濃いシミに特に有効 ・部分的なシミに強い出力で照射 ・複数回の照射が必要になる場合あり 【効果的なシミ】 老人性色素斑、そばかす |
トーニング (レーザー治療) | ・5回以上の施術を推奨 ・肌全体にマイルドな出力で照射 【効果的なシミ】 老人性色素斑、肝斑、炎症後色素沈着、そばかす |
フォト フェイシャル (光治療) | ・肌全体に光を照射 ・5回以上の施術を推奨 ・ニキビ跡、毛穴、赤ら顔にも有効 【効果的なシミ】 炎症後色素沈着、そばかす |
トラネキサム酸 (内服薬) | ・最低でも4~5週間の服用が必要 ・シミの原因となるメラノサイトを抑制 【効果的なシミ】 肝斑、炎症後色素沈着 |
▷参考:近畿大学医学部堺病院皮膚科 遠藤英樹「シミ・ソバカスの治療戦略」、神戸大学大学院医学系研究科皮膚科学分野 船坂陽子「美容皮膚科におけるレーザー治療」
より早く治療の効果を実感したい方は、レーザートーニング+内服薬など複数の治療法を同時に行うことも検討してみてくださいね。
\シミ取り治療のおすすめクリニック/
5. まとめ
最後にもう一度、シミ取りレーザー後の症状をまとめておきます。
✔シミ取りレーザーによる失敗例
・シミが濃くなる(隠れ肝斑の発症)
・シミが再発する
・白斑化
✔“ダウンタイム”による症状
・赤みが残る
・かさぶたにならない
・シミが濃くなる(炎症後色素沈着)
シミ取りレーザーは失敗しない!というわけではありませんが、リスクをしっかり理解しておけば、効果的なシミ治療が期待できます。
ぜひ、シミのない自信を持てる肌を手に入れてくださいね。
参考文献
・厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」
・厚生労働省「医薬品・医療機器ページ」
・消費者庁「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」
・日本美容外科学会(JSAPS)
・日本形成外科学会(しみ)
・美容医療サービスのトラブル – 国民生活センター
・美容医療サービス(各種相談の件数や傾向) – 国民生活センター